第223回「慣用句」

Teacup 475

 ノーミスの練習を再開。舞い上がった精神を無理強い落ち着かせるにはこれに限る。ノーミスを狙うとなると嫌でも集中し、冷静にならなくてはならない。ミスを出せば集中は乱れるが、これは他の雑念と「ミスが出ることに対する苛立ち」を混ぜこぜにすることになる。人間のこの単純な精神構造を利用して、浮付きをタイピングにすべて転換してしまうわけだ。

 練習を続けるには、それら混ぜこぜになった苛立ちや雑念を抑えてまた冷静になる必要がある。ミスに苛立ちを覚えない人間だって、ミスによって途切れた緊張の糸をつなぎ直すのに深呼吸のひとつもするだろう。これが徐々に、何事にも動じない精神力を養うことになる。その冷静さが記録につながるのである。

 ……と思っているのだが、記録は一向に伸びない。